ここではあなたに知ってほしい「治癒を妨げる3つの間違い」と「早期回復する人しない人」「再発する人しない人」の違いをお伝えします。
認識の間違い
私たちは身体の調子が良いときは、なぜケガをするのか、なぜ病気になるのか考えることは、あまりしません。それは元々健康を維持するという本能による前提があるからです。
そして、調子が悪くなって、ケガや痛みになったときにはじめて「なぜケガをしたのか?」「病気になったのか?」を考えるようになります。
そして、まだ「これくらいなら放っておけば自然に治るだろう」と様子を見ても良くならないと、これは明かにおかしいと危機を感じ始めると、病院へいって検査をして治療を受けようという気持ちになります。
ケガや痛みが突然くると、その時から発症したと思われますが、その本当の原因は日常の生活習慣の積み重ねによるものであることが多いです。
例えば、痛みや違和感がないときは、普段、手をどのような動きで使って、足や腰がどのように影響しながら動いているのか考えることはありません。しかし、痛めた時に「この動きをすると痛い」「こうすると楽になる」など意識するようになって気が付くようになります。
そして、かばってバランスが崩れた状態や、繰り返し負荷のかかる動作が繰り返されると、ケガや病気になるというわけです。
つまり、 身体にとって望ましくない生活習慣が積み重なり、蓄積した疲労や不具合が、潜伏期間を経て表面化したものが、ケガや病気なのです。
「痛みや違和感=(イコール)悪いもの」ではありません。
痛みや違和感が出ると、そこが悪いと思われるかもしれません。ですが、実際は痛みや違和感は悪者ではなく警告です。
例えば車を運転していて、ガソリンが少なくなってくると、警告ランプが点滅してきます。車はまだ走れますが、補給せずに無視して走り続けると、ガソリンがなくなって車は動かなくなります。
身体も手遅れになる前に「ここがおかしいですよ」「これ以上無理しないでくださいね」と警告を発してくれているのです。
その身体からの悲鳴や声を受け取り、理解することが早期回復への手助けになります。
そのためにも、「なぜケガや病気になったのか?」「どのような経緯でなったのか?」「原因は何か?」を考え掘り下げていく事が早期回復への手助けとなります。
治療法の間違い
現代の医学の治療法は主に「薬」と「手術」です。また補助的なものとしては電気治療、湿布、テーピング、サポーター、アイシング、ストレッチなどがあります。
それらの治療法には、痛みを緩和させたり、一時的に消失させたりする作用があるのは確かですが、そうして痛みの感覚がマヒしてしまいます。痛みの感覚がマヒしていると、それに気づくことなくその動作を継続して行ってしまい、症状をさらに悪化させてしまうのです。
ほとんどの治療法が一時的に症状を軽減させることができても、根本から改善させることができない理由はそこにあると考えてもいいでしょう。
このように、多くは「原因」ではなく「結果」だけに対処する治療法となっています。今だけ楽になるなら、1試合出るだけならと、一時的に乗り越えるために理解した上で使われるにはそれもいいかもしれません。
ところが、再発しないようにするためには、根本にある原因を明確にすることが大切です。
また、検査機器は主にレントゲン、MRI、血液検査などです。気になる症状の部位に特化して、画像と数値から判断出来るので、検査データとしてかなり詳細に診断されます。
ところが治療法としては薬と湿布で様子をみてくださいと一律であったりします。
実際に筋肉や筋膜や身体全体のバランスに原因がある場合はレントゲンには写りません。また、筋肉の柔軟性もMRIから判断するのは難しいです。
ここで大切なことは、多くの治療方法や、筋肉を鍛えたり、緩めたりする方法、それらは手段の一部でしか無いということを理解して使いこなす必要があるということです。
身体を車に例えると、車はエンジンだけ、アクセルだけで出来ていないです。
そして、更に言うと、エンジン、アクセル、ブレーキなど、各パーツが絶妙なバランスで、組み上げられているからこそ、1台の素晴らしい車が出来ている筈です。身体の健康も同じです。
完成度の高い車を作るための各パーツのバランスの取り方があるのと同じように、健康にもそれがあります。
例えば、当院の患者さんで足裏の痛みで来られた方の原因は背中にあったり、肩の痛みで来られた方の原因が腰や足にあったり、手の指先の痛みで来られた方の原因は肩や首にあったりと、同じ症状でも原因は患部にあったり、別の部位にあったりと様々です。
また、身体は部位と全体のバランスで成り立っていますので、一部だけ見て根本原因を特定するのは難しいのです。全体のつながりを見た上で一部を見ていくと原因を特定しやすくなります。
一定期間続けてみて、もし、結果がでないなら治療法が間違っている可能性があります。思い切って違うアプローチをしてみるのが有効かもしれません。
治ったと思う間違い
症状が改善して安心していると、いつの間にかケガや病気を引き起こした生活に戻っていく。そんなことがあるかもしれません。これを繰り返していれば、「治ったと思ったら再発した」、ついには、「再発したので完全には治らない」という状態に陥ってしまいます。
すべての 痛みやしびれの本当の原因の鍵は生活習慣にあります。それは目に見えるもの、見えないもの全てが含まれます。
再発を防ぐにはゲガや病気の原因を取り除くと共に、生活習慣を変えていくことが必要です。
そして、生活習慣はあなたの記憶で出来ています。脳は生まれてから今までの起きたことすべてを記憶しています。出来事に対して、何を思い、言葉にして、行動して来たのか、そのすべてが記憶されています。
筋肉にも習慣化されたパターンが動作として身についています。
それが体にとって望ましいものであるとしたら、今のあなたには、健康という状態が現れているはずですし、それが体にとって望ましくないものであるとしたら、今のあなたに、痛みや病気といった症状が現れているかもしれません。
習慣化されているものを変えるには、一気に何かを変えるより、できることを少しずつ変えていく事をお勧めします。意志の力だけで急激に変えたものは、ホメオスタシス(恒常性維持機能)により、急激に戻ろうとする作用が働きます。
生活習慣はベイビーステップという言葉のように、赤ちゃんの歩みのように、少しずつゆっくりと育っていくと持続します。自然の草花や木々の成長と同じです。望ましい生活習慣へと少しずつ変えていくと、あるとき気が付いたら健康であるのが当たりまえになっています。
痛みがない=治ることではありません
痛みとは体に異常が起きていることを警告するSOS信号なのですから、「治る=痛みがなくなること」ということではありません。ことスポーツに限っては、「痛みがなくなった」→「やった、試合に出られるぞ!」という短絡的な思考が働いてしまいがちです。
治療する側もされる側も一緒になって、痛みをなくすことだけを考えるようになると、アイシングなどの痛みをマヒさせる治療法が、本来とは違う、間違った使われ方をされるようになります。
それらの治療法には応急処置としての意義はありますが、原因となっている問題を解消するものではないため、単に痛みをごまかすだけになってしまいます。しかも、そのように感覚をマヒさせる習慣をつけると、反射神経などのほかの感覚まで鈍くなってきて、新たなケガを招くことにもなります。
また、「とにかく痛みを起こしている筋肉を緩めさえすればいい」という発想で、筋肉を強く叩いたり、揉んだりする治療法にも問題があります。痛く感じるほどの強いマッサージや指圧を行うと、一時的に筋肉が緩んだり痛みがなくなったりするのは事実ですが、その後はかえって筋肉が過度に緊張して痛みを生じるからです。
いわゆる「揉み返し」です。これは筋肉内の微細な血管が破れるために起きるもので、痛みや腫れ、青あざや発熱、不眠などの症状を誘発することもあります。
そのような揉み返しがあると、もっと強いマッサージをしてもらいたくなるでしょう。さらに、マッサージと揉み返しを何度も往復するようにまでなると、立派な「マッサージ中毒者」の出来上がりです。これでは悪循環でしかありません。
ただ、なかには揉み返しの自覚のない方もいるようですが、それは感覚が鈍ってしまっていて自らの体の状態に気づけないだけです。そういった治療をずっと受けてきた人は筋肉がガチガチに硬縮してしまっていて、当整体を受けたとしても回復が遅い傾向があります。
それは、それまでの治療によって筋肉や神経の働きが劣化してしまっているためです。
再発を予防するためには
回復する人しない人、再発する人しない人には明確な違いがあります。
図を参照して頂くとわかるのですが、痛みや違和感は、身体に負担がかかっていくと筋肉の緊張度合いが高まり、捻挫のように筋を痛めたり、可動域が狭くなったり、疲労が蓄積されたりと色々と不具合がでていきます。
そして、ある一定の度合いを超えると痛みや違和感になります。
①さんのように痛みと付き合いながら、運動や身体に負担をかけていくとなかなか痛みが落ちません。
②さんは痛みがなくなって休むと、痛みがでないのですが、運動や体に負担をすると痛みが戻ってきます。
ところが、③さんは痛みがなくなっても十分に回復させて筋肉の柔軟性を取り戻した後なので①さんや②さんと同じように体に負担をかけても痛みがでません。
ですから、③さんのように痛みがなくなってから、1回施術を受けると痛みが戻ってこなくなるケースが多いです。
このように痛みの原因を取り除くと共に、日常生活でいかに負担をかけないのか?痛みが出る理由が明確に分かってくると再発を予防できるようになります。
治るイメージの間違い
身体が回復していくというと、あなたは痛みや違和感が緩和して、右肩上がりによくなっていくイメージをされるかもしれません。
確かに軽い症状であれば、しっかりと睡眠と休息をとれば、自然と症状は解消されていきます。しかし、慢性的な症状や疲労の蓄積などで不具合が起きている場合は、休息だけでは回復しません。
特に慢性的な症状から回復に向かう過程では、治癒を促進しても、一瞬悪くなったように感じたり、良くなったり、悪くなったりと感じて繰り返しながら総合的に良くなっていく事が多いです。(下図参照)
私も元患者ですから、もう治らないんじゃないか、本当に良くなっていくのかと不安に思う気持ちは良くわかります。しかし、症状には必ず原因があり、あなたに備わっている自然治癒力を信じて一定期間、集中・継続して施術を受けていことで身体は回復していきます。
どうかあきらめずにご自身の体と真剣に向き合ってください。向き合えば向き合うほど、今自分が何をすべきか分かってくることでしょう
最後に・・・
「望ましい生活習慣に変えても」、「施術で筋肉を緩めて柔軟性を高めても」、「施術で神経の働きを回復さsrても」現状を否定している人は「全然、良くならない」「全くかわらないじゃないか」と思うかもしれません。
これは考え方のクセが原因です。「白か黒か」「0か100か」という思考を、いつの間にか無意識で行っているのです。なので、せっかく人から変わってきたねと、褒められたとしても、少しでも痛みや違和感があると0点になり、「やっぱり良くならない」と考えてしまうのです。
ここで大切なのは小さな欠点や短所を見つけて自分を虐待していることに気がつくことです。たとえ、「100」でなくても「1」とか「10」とか小さな変化を受け取っていくことです。
「100点満点の健康が欲しい!」というのであれば、目先のなんでもない1点や10点の変化も受け取っていく、ということです。大きな結果を得ようとするのではなく、小さな結果を大切にしていくこと。これが結果的に最短で健康を手に入れる近道になります。